「君がきてから何か違うんだよね」
という理由で、電話でバイトをクビ宣告されたことがある。
職員5人ぐらいの小さな事務所で、皆なかよく和気あいあいみたいな家庭的なかんじの職場だった。
私は入って一週間ぐらい、とくに問題なく仕事をこなしているつもりだったのにショックだった。
「君がきてから何か・・・違うっていうか・・・どう言っていいのかわからないけど何か・・・」
電話で言いづらそうに、言葉を選びかねて困っているかんじに私は酷く傷付いた。
私は比較的空気の読めるアスペだから、過去の経験により、
「オーラが違う」
「職場が暗くなる」
「何か好きになれない」
「少人数で一緒に仕事していく仲間としてずっと付き合うのはイヤだ」
という言外の意味をすぐ理解して、「あーはいはい、わかりました」と電話を切った。
「ここでも拒絶された」と気が滅入り(慣れてはいるけど、やっぱり新たな気持ちで新たな集団に属してはそのような思いをする・・・というのを何度も何度も何度も何度も・・・味わわされると、腐ってもくる)、若かった私は傷付いて、給料を取りに行く元気も出なかった。
仕事ができなくてクビならまだいいけど、こういう理由で切られるのって、存在を全否定されたみたいで堪える。
今なら相手がいくらモゴモゴしていようと、はっきり理由を言ってください、と迫るし、給料もしっかりもらうけどね。
アスペが定型と違うオーラを持っていることは、皆さんお気付きと思う。
これが、意味なく嫌われる原因になったりするんだから、つらいよね。
いくら外観を整えて行っても、身のこなしの悪さとかどんくささとか、打てば響くリアクションができないとか、うまく雑談できないとか、嫌われオーラは先天的にまとってしまっている気がする。
定型発達者との差は、歳をとって埋められる面もあれば、逆に溝が深くなっていく面もある。
◆
自閉症バッチ、あるなら付けて歩きたいよ。
偏見なんかより、最初から距離をおいて理解してほしい気持ちのほうが強い。
偏見っていうけど自閉症を自閉症と見てもらうんだから別に、何が困るのかわからない。
定型に化けていたって、結局距離おかれるのは時間の問題でしょ。
私は社会復帰の際には是非、全方面にカミングアウトしたい派なんだけど、やっぱりそれってリスキーなの?
取り繕わないで、等身大のまま生きていきたいよ。
定型に化けては疲れて傷付いて委縮して、いじけてばかりの自分が惨めだよ。
自分達と違うオーラを確実に見抜き、嗅ぎ分け、遠避けるのは、定型者が身を守る本能でしょうか。こちらから、攻撃を仕掛けた事も無い善良者なのに、滲み出しちゃうものはなんでしょうね。